秋風が園庭を抜け、金木犀の香りがふわりと漂う季節になりました。
子どもたちは落ち葉を集めて「おいしいカレー!」と遊びながら笑っています。
どんなものも遊びに変えてしまう、その想像力の豊かさに、先生たちは思わず顔をほころばせます。
季節の変化を感じ取るのは、大人よりも子どもたちのほうが早いのかもしれません。
朝の会で「昨日より風が冷たいね」と話すと、
「木がサラサラって言ってたよ」と返してくれる。
そんな何気ない言葉の中に、子どもたちの感性のやわらかさが光ります。
秋のぬくもりが感じられる認定こども園 では、季節ごとの自然体験を通して、子どもたちが“感じて考える力”を育むことを大切にしています。
たとえば園庭に落ちているどんぐり。
ただ拾って集めるだけではなく、
「この帽子みたいなのはなに?」「どうしていろがちがうの?」と、
子どもたちの疑問がどんどん広がっていきます。
先生たちはその声を受け止め、
「じゃあ、みんなで調べてみようか」と話をつなげていきます。
そうしたやりとりの中で、子どもたちは知ることの楽しさを覚え、
自分の力で答えを見つけようとする意欲が芽生えていきます。
それは学びの芽であり、生きる力の源でもあります。
昼下がり、園の隅でおままごとをしていた子がふと手を止めて、
「先生、空がオレンジだね」と言いました。
見上げると、夕焼けに染まる空の向こうに鳥の群れが飛んでいきます。
その光景を一緒に見つめながら、先生は静かに思います――
“子どもの目に映る世界は、なんてまぶしいのだろう”と。
園で過ごす日々は、特別なことばかりではありません。
けれど、その中に確かにある小さな成長の瞬間を、
ひとつひとつ大切に積み重ねていくことが、
この園の保育の原点です。
秋は、実りの季節。
それは自然の恵みだけでなく、子どもたちの成長の実りでもあります。
新しい言葉を覚えた子、初めて自分から「ありがとう」と言えた子。
どの出来事も、小さな実を結ぶように園の時間を彩っていきます。
これから季節が冬へと移っても、
子どもたちの心の中には、この秋の光と香りがやさしく残るでしょう。
そしてその記憶が、やがて大きな心を育てていくのです。