朝の空気が少しずつ冷たくなり、園庭の木々が赤や黄色に染まり始めました。
11月も半ばを過ぎ、子どもたちは落ち葉の絨毯を踏みしめながら、笑顔で駆け回っています。
風が吹くたびに葉がひらひらと舞い落ち、手を伸ばして追いかける姿は、まるで季節と遊んでいるよう。
この時期の園は、少し寂しさを含んだ空気の中にも、あたたかな光があふれています。
大和高田の認定こども園では、季節ごとの変化を子どもたちと共に感じ、保育に生かす取り組みを大切にしています。
子どもたちは、遊びや生活の中で自然に季節を覚えていきます。
「きょうは風がつめたいね」「いちょうがきれいだね」と口にするたび、
その言葉の中に“感じる力”が育っているのが分かります。
先生たちは、その一つひとつを丁寧に受け止め、言葉を返し、心を通わせていきます。
昼下がりの保育室には、やわらかな日差しが差し込みます。
子どもたちが制作で作った紙の葉っぱがカーテンに揺れ、
その影が床に落ちて、小さな秋を描きます。
「これ、ママに見せるんだ！」と笑う声に、先生も思わず微笑みます。
そんな何気ないやりとりの中に、園の日常が息づいているのです。
11月は、行事と日常が交わる季節でもあります。
遠足や発表会の練習で忙しくなる一方で、
子どもたちの中には少し疲れを見せる子もいます。
そんなとき、先生たちは焦らず、そっと寄り添います。
「きょうはゆっくりしようか」と声をかけ、
ひざの上で絵本を読む時間が、子どもたちに安心を与えます。
夕方になると、園庭はオレンジ色に染まり、
「またあしたね」と手を振る子どもたちの声が響きます。
その声を聞きながら、先生たちは小さくうなずきます。
“今日もたくさん笑って、泣いて、成長したね”と。
秋の終わりは、1年を振り返る時期でもあります。
入園したばかりのころ泣いていた子が、
今では友だちの手を引いて歩いている。
その姿を見るたびに、時間の重なりと、保育の尊さを感じます。
これから冬に向かう季節。
寒さの中にも、あたたかな光を見つけながら、
子どもたちとともに、今日も一歩ずつ歩んでいきます。
そしてその歩みが、確かな未来へと続いていくことを願いながら――。